会員相互のシーズ・ニーズを共有するプレゼンテーション
会員によるショートプレゼンテーション
本プログラムのメインは、会員による5分間のショートプレゼンテーションです。各会員の概要、保有する技術・資産(シーズ)、求めている技術・資産(ニーズ)が紹介され、会員相互の理解を深めることができます。サンプルを持参した会員は、サンプルPRタイムで別途設けられ自社商品をプレゼンします。また、その後の自由交流でシーズ・ニーズに合う会員と、マッチングを図ります。今回は、発表された21会員の中から4会員をご紹介します。
さのさんち 佐野秀樹様
「さのさんち」は、静岡県藤枝市岡部町で、肉厚なしいたけをはじめ、きくらげ、オクラ、とうもろこしなど10種類の農作物を生産する個人農家です。農作物の生産だけではなく、荒れた農地の草刈りなど、農地の保全活動も行っています。
きのこの菌床は、通常は産業廃棄物として処理されますが、佐野氏は環境への配慮を考慮し堆肥化を検討しています。そのため堆肥化する技術を提供してくださる方を探しています。
さらに、さのさんちが目指すのは「モロコシ村」の復活です。岡部町子持坂では、以前は転作水田を利用した観光農園「モロコシ村」を地域の方たちが運営していましたが、人口減少に伴い廃れてしまいました。。以前の盛り上がりを復活させるべく、町おこしにも力を入れていくため、集客方法を一緒に考えてくれる方も探しています。
合同会社オリビアス 山本哲史代表社員
「合同会社オリビアス」はオリーブ栽培技術の特許専用実施権を取得しており、その技術を基盤とする技法を提供して様々なビジネスモデルを展開するオリーブ事業会社です。同社はクライアントに対してオリーブ栽培技術の提供から、オリーブオイル・茶などの製造、販売まで一気通貫したサポートを行っています。他にもオリーブ農園を観光農園にしたり、環境配慮のためソーラーシェアリングにも取り組んだりしています。
オリーブ栽培の課題は、収穫まで4〜5年、長くて10年かかるため、利益が出るまでに時間がかかることです。しかし、同社の栽培技術では、無農薬栽培でありながら定植した翌年に収穫が可能です。静岡県でオリーブ栽培の成功モデルをつくること、そしてオリーブ茶の製造に取り組むことを目標に掲げているので、一緒に取り組んでくれる方を探しています。
日本板硝子株式会社 下川洋平様
日本板硝子株式会社(NSGグループ)は、建築及び自動車用ガラスと高機能ガラスで事業を展開する世界最大のガラスメーカーの一つです。
現在、中長期視点で新規事業創出プロジェクトにも取り込んでおり、候補テーマの一つとして、社会課題である食糧問題解決のために「農業分野」での事業化を検討しています。
施設園芸の市場では、初期投資が大きく、また、ノウハウが必要など、新規就農にはまだまだハードルが多くあります。
そのような問題を解決する為に、例えば、日射の最適化に関わるガラス・フィルム技術等を活用し、就農者の事業成功に繋がる伴走サービスを考えています。
事業検討の初期ステージですが、ハウスの環境制御や種苗ノウハウ、販路開発などで強みをお持ちの会員企業との協業可能性も探索し始めています。
株式会社リコー 伊丹幸男様
「株式会社リコー」は地域の脱炭素化に向けて自治体やコンサル会社と一緒に活動しています。農業分野ではAOIフォーラム会員のスマートブルー株式会社と連携して、コミュニティファームを提案しています。コミュニティファームとはソーラーシェアリングをコア技術にした地域の脱炭素化と農業活性化の同時実現を目指す提案です。
また、農業で必需品とされる「軽トラ」をEV化した「EV軽トラ」とソーラーシェアリングを組み合わせて地域の脱炭素化を目指す提案をしています。
農業分野の脱炭素化に一緒に取り組む仲間を増やしたいという思いからAOIフォーラムに大きな期待を寄せています。
21会員によるプレゼンテーションのあとは、製品サンプルを持参いただいた日研フード株式会社、日清紡テキスタイル株式会社、一般社団法人ネクシズアシスト、株式会社セブンコーポレーションの4会員が、製品説明を行いました。製品サンプルは全参加者に配布され、実物の様子を体験していただきながらのプレゼンテーションとなりました。
参加者に配られた製品サンプルなど
参加者同士の積極的な交流が行われていました
その後は、参加者同士が自由に商談交流いただく交流会です。プレゼンテーションを踏まえたうえで、自社のもつシーズ・ニーズと合った会員と直接コミュニケーションがとることができます。普段なかなか会えない業種と情報交換できるということもあり、大いに盛り上がりました。このような場を通じて会員間の交流を深めることで、新たなビジネスのきっかけが創造され、会員間のオープンイノベーションが加速化されます。
当日外は雪模様でしたが、会場内は参加者の熱気に包まれていました。