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技術と共に進化するトマト

(高校生によるインタビューその2)

written by 山本胡暖 鈴木咲花 勝又琳香 深澤南香(加藤学園高校2年)

2021.03.11

2021年1月30日土曜日に三島市中にあるフラワーガーデン佐藤さんのトマト栽培を見学しに行きました。佐藤光さんは花農家をしているお父さんに憧れ、農業をはじめました。その中でも、より可能性があり、売り上げが伸びそうであったトマトを生涯育てていくパートナーに決めたそうです。

栽培方法を説明する佐藤光さん(左から2番目)

AOIプロジェクトとフラワーガーデン佐藤さんの取り組み

フラワーガーデン佐藤さんは、AOIプロジェクト※が推進している、全国でも先進的な技術を使ってトマト栽培を行っています。主に使われている技術を紹介します。

※静岡県による、「先端的な科学技術の活用による革新的な栽培技術開発を進め、農業の飛躍的な生産性向上を図るとともに、産学官金の参画を得て、農業を軸とした関連産業のビジネス展開を促進するプロジェクト」。

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-310/sentannougyou.html

佐藤さんが育てる食べ頃のトマト

うるおい力持ち

別名「植物重量モニタリング型自動給液制御盤」※と呼ばれているものです。目安となる株が、光合成や蒸散で水分を放出し、重量が軽くなる現象を測定します。トマトに水が足りないと判断された場合、ハウス全体の株の水分量と栄養素を自動で管理する製品です。

※山本電機(株)
http://www.yamamoto-denki.jp/index.html

「うるおい力持ち」の本体(写真右)

うるおい力持ちの一部で重さを量る機械

うるおいミックス

水と栄養素を植物に最適な比率で配合するシステムの事です。これで作られた栄養を含んだ水分は、上記のうるおい力持ちによって然るべきタイミングで、ハウス全体に送られます。

栄養と水をMIXさせるタンク

佐藤さんは「誰でも簡単に美味しい高糖度のトマトが作れる」を目標に掲げているAOIプロジェクトに共感し、このプロジェクトに参加しました。「誰でも簡単に美味しい高糖度のトマトが作れる」ためには、今までの生産者の感覚や経験ではなく、データに基づくシステムが必要不可欠です。この佐藤さんのトマト農園では、その先駆けとしての取り組みを進めています。

トマトを実食

フラワーガーデン佐藤さんのトマト農園では、中糖度のトマトと高糖度のトマトを栽培しています。佐藤さんのご厚意で2種類のトマトを食べ比べさせていただきました。中糖度のトマトは、さっぱりしたうま味と爽やかな酸味が感じられました。一方、高糖度のトマトは、フルーツのような甘味とほのかな酸味がありました。2種類とも食べごたえがあり、とても美味しかったです。佐藤さんのトマトは、地元のスーパーやフラワーガーデン佐藤さんの直売所で購入することができます。

佐藤さんの愛情が込められている摘みたてトマトを実食

佐藤さんの愛情がたくさん込められたトマトたち

人と協働する機械を考える

フラワーガーデン佐藤さんを見学する前、私たちは、機械を使ってトマトの美味しさを向上させることに抵抗がありました。農業は、おじいちゃんやおばあちゃんが一から手作業で農産物を作っているイメージがありました。そのため、野菜は手間や愛情をかけてこそ一番美味しくなると思っていました。しかし、機械と協働しているトマト栽培を目の当たりにし、実際に食べることで、考えが180度変わりました。それは、『手作業が多い=「愛情が込められており、美味しい」』という常識はもう古いということです。■

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