AOI Meet up Vol.6

AOI フォーラム会員交流会 レポート

written by 水口 みどり

2022.01.12

令和3年12月10日、沼津市のプラサヴェルデにて「AOI Meet up Vol.6」が開催されました。久しぶりにリアルでの会合となり、開催前から参加者同士が挨拶を交わす様子が会場のあちらこちらで見られる実際の交流の場となりました。
今回は21会員のプレゼンテーションがあり、各社・個人の様々な活動が発表され、聞き応えのある会となりました。

「5分間」に各社の強みや課題を凝縮

参加企業は、農業団体、粉砕機メーカー、ロボットメーカー、流通など多岐にわたりました。プログラムの中心は参加企業の5分間のプレゼンテーション。途中休憩を挟み、21会員が次々と自社の持つ技術やサービスについて発表しました。また、農業分野のどのような情報を求めているか、どのような企業とのマッチングを期待するのか、などを説明しました。
AOI機構の岩城徹雄専務理事兼事務局長は挨拶で「ぜひ、積極的に声掛けをしていただき、普段考えていること、中長期で考えていること、次のビジネス展開につながる話をしていただきたいと思います」と積極的な交流を呼び掛けました。

開会挨拶を行うAOI機構岩城専務理事兼事務局長

このレポートでは、発表を行った21会員の中から、業種の違う4会員を紹介します。

株式会社静岡プラント 須山秀機世顧問

「株式会社静岡プラント」は、粉砕機に特化した機械の開発と販売をしている会社です。近年は特に農産物に照準を合わせ、微粉砕することで新たな市場の開拓をしています。
プレゼンテーションでは、3つの事例について発表がありました。1つは小麦の全粒粉。今まで小麦の中身だけを粉砕していましたが、「ふすま」と呼ばれる皮の部分も微粉にし、両方を混ぜて販売した結果、販売量が非常に伸びているそうです。2つ目は「脱脂大豆」、つまり油を搾った後の大豆です。従来は家畜の餌などに利用していましたが、微粉砕することで、大豆ミートとして商品化しました。健康にも良く、更にハラル食品としての条件もクリアしているため、外国にも出荷されています。3つ目は茶葉です。茶葉の国内需要は年々減っていますが、微粉砕することで食材としての利用が急拡大しており、特に海外での売り上げが伸びています。このように、「粉砕」による大きな可能性を感じさせるプレゼンテーションでした。

株式会社氷感サプライズ 営業開発部 宮下雄氏

「株式会社氷感サプライズ」は、氷感庫の製造販売と活用提案をしています。氷感庫とは、0℃以下の温度帯でも凍りにくく生の状態で保存を可能とする特殊な冷蔵庫です。冷却装置と電圧装置で管理されており、冷蔵庫内に高電圧の電気エネルギーを安全かつ安定的に加え、水分子が結合して凍結することを電圧の振動によって防ぐことで、0℃以下の温度帯でも食材が凍りにくく高鮮度の保持ができます。
この特徴を生かし、長期保存、食品ロスの削減が可能になります。そのため、出荷調整や調達の調整ができ、鮮度保持のみならず食材によっては甘味やうまみが増すというメリットがあるそうです。参加者に向けては、物流面での課題などをざっくばらんに相談してほしいとの話がありました。

富士宮農業協同組合 販売指導課 石川博雅課長代理

「富士宮農業協同組合」は、富士宮市に位置する農業協同組合です。管内農家の特徴として、中山間地特有の少量多品目栽培が多くを占めています。直売所「う宮ーな」で農産物販売も行っており、売り上げは年間11億円にも及びます。
令和4年4月1日から、東部、伊豆の8農協が合併する「富士伊豆農業協同組合」の一員になります。そこで、現在富士宮で作っている少量多品目の中から、販売を強化する品目(落花生、加工用キャベツ、さつまいも)をピックアップし、面積を拡大、地域の名産化に取り組むとのことでした。課題として、市場に出荷できない規格外商品の使い道や、スマート農業機器導入の事例、特に狭いエリアで導入できる事例を知りたいとのことでした。
また、この日は若手生産者の小澤慎吾さん も同席しました。市場と農協に出荷をしていて、スマート農業の試験圃場も提供している方です。若手の担い手の中でも中心の1人で、「小澤ベジタブル」というYouTubeチャンネル を立ち上げています。

株式会社日栄機工 川元敦史代表取締役

「株式会社日栄機工」は、自動車部品を組み付ける自動装置を日本全国の自動車メーカーのラインとして設計しています。農業関連は少人化装置、からくりによる簡易自動化装置(低コストで目的を成し遂げる)を得意としており、最近はDXやVRにも力を入れているとのことでした。また、ドイツのロボットメーカーとパートナー契約を結び、日本で唯一発売しているそうです。このロボットは、「ティーチング」と呼ばれるロボットの設定を一切行わず、すべてAIが判断して動くそうです。すでに、福島の復興地にある工場からも導入依頼があるとのことでした。
農業分野で、こうしたロボット技術がどのように生かせるのか知りたいという思いで参加したそうです。

リアルの場で熱心な交流を開催

ショートプレゼンテーション終了後は、会員間の交流、商談を目的としたマッチングの時間となりました。発表内容で気になった企業にダイレクトにアプローチできる場とあって、参加者は思い思いに席を立ち、お目当ての企業に声を掛けていきます。今回は交流を活発にするための仕掛けとして、各テーブルにAOI機構のコーディネーターを配置。それぞれの会員の紹介や引き合わせを行っていました。

参加者同士の名刺交換

会場には、各社のパンフレットや関連資料、素材のサンプルやロボットなどが並びました。参加者は、実際にサンプルを手に取ったり、ロボットを興味深く見たりしていました。特に、氷点下でも凍らない冷凍庫を提供する「株式会社氷感サプライズ」や、アーム型ロボットを持ち込んだ「豊田油気株式会社」のブースには、実機が展示されたこともあり、名刺交換をする人の列ができました。

豊田油気株式会社ブース

株式会社氷感サプライズブース

参加者からは、「目新しい技術の話がたくさん聞けたので、コラボレーションしたい企業の目途が付いた」といった前向きなコメントがあった一方、「農業現場をよく知っている生産者等にもっと多く参加してもらいたい」との要望も。「今後もこうした場で、マッチングの新たな情報がもらえる機会づくりをしてほしい」という期待も聞かれました。

中締めで挨拶に立ったAOI機構の藤井明代表理事は、各社5分のプレゼンテーションに触れ「5分は短いというご意見もあると思います。ただ、なるべく多くの方のシーズ、ニーズを知っていただくことがオープンイノベーションにつながると考えています」とその狙いを語りました。また、今回も様々なジャンルの題材が出てきたことを挙げ、「一気にいろいろなことが推進されるとは思いませんが、何か1つでもつかんでいっていただければ、交流会を開催してよかったと思います」と参加者の今後の展開に期待を寄せていました。

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