AOI Meet up Vol.3

AOI フォーラム会員交流会 レポート

written by 小高 朋子

2020.01.20

令和元年12月13日、ホテル沼津キャッスルにて「AOI Meet up Vol.3」が開催されました。本会では、会員相互の交流を目的とし、21会員37名にご参加いただきました。
より複雑化したマーケットに対応し、これからの新たな事業を成功させるためには、このようなイベントを活用し、外部の知見やアイデアを入れることが一層大切なこととなっています。

新規事業創造のきっかけを提供するプレゼンテーション

会員によるプレゼンテーション

本プログラムのメインの1つとなったのは、各会員のプレゼンテーションです。各会員につき3分間のプレゼンテーション、2分間の質疑応答を実施しました。事業内容やシーズおよびニーズを発表することで、自社の技術やアイデアをもとに、新しい商品やサービスを生み出す可能性を探り、新規事業や協業を創造するきっかけを生みだすことが目的です。

例えば、「テイボー株式会社」の主な事業内容は、ペン先に使用される合成繊維、フェルト、プラスチックの開発、MIM(金属粉末射出成形)部品製造・販売です。多孔質体の設計技術に長けており、カスタムメイドの吸い上げ性能を持つ多孔質体の提案も可能であるといいます。世界シェア60%の高い技術力を農業分野に応用し、省力化・高品質化・多収化に貢献したいとの考えです。動力不要で液体補給が可能な潅水部材や、湿度コントロール用の環境制御部材など具体的な活用案も提示されました。そこで、新しい栽培方法・農業資材を共同開発される方を募集したいとのことです。

「株式会社村上開明堂」では、自社商品のバブグラス(多孔質発泡ガラス)に、微生物を組み合わせることで汚れや防臭・脱臭作用を期待します。現在、AOI機構 の紹介で、県内の堆肥場で実証実験を進めています。今後は、環境負荷に対する課題や微生物との相性などに対して知見をお持ちの方にアドバイスいただきたいとのことです。
会場からは、バイオ発電を行った後の消化液に対しての有用性について質問がありました。それに対して、現状における考えと「今後、より一層の知見が必要になるが、可能であると考えます。また、そのようなご意見があれば、ぜひ一緒に考えていきたい」との意見交換がされました。

食品・食品添加物のトータルカンパニーである「三栄源エフ・エフ・アイ株式会社」では、市場規模からみた加工食品のほぼ全てに関わっており 、多岐にわたる添加物に対して研究開発を行っていること、それらの素材を活用したトータルソリューションを提供できる営業力が大きな強みとなっています。

「東海大学」のプレゼンテーションでは、台風の進路予測や偏西風、風が及ぼすピンポイントでの影響などの情報提供ができるほか、出前授業なども可能だとのこと。大学の「しきい」は決して高いものではなく一緒に取り組んでいきたいとの意向が示されました。

「株式会社前川総合研究所」では、各種業界での 冷却・冷凍および食品に関する多数の技術を用いて、新しい視点で未来の農業を創造したいと、オタネニンジン(高麗人参)栽培と市場開拓にチャレンジしています。栽培のエビデンスが乏しい品目を農家とWIN-WINの関係をつくりながら技術を確立し、ニッチな分野でトップになっていきたい。薬効成分を用いた商品開発および市場開拓のために、食品関連や医療関連企業の知恵をお借りすることも、AOIフォーラムで一緒に考えていきたいと話しました。また、まずは皆さんに食べていただきたいと、持ち帰り用のサンプル食材をご用意いただきました。

提供食材による料理を囲んでの自由交流

積極的な交流が行われました

プレゼンテーションの後は、会員間の親睦をより一層深いものとしていただくための、自由交流となりました。異業種の交流を重ね情報交換を行うことで、これまでにない新たなネットワークやコミュニティが広がりつつあります。
「AOIフォーラムのネットワークで得た情報を、お客様の経営課題と一緒に解決していくことで地域の皆さまに還元していきたい」と、沼津信用金庫 経営支援部経営支援課 課長の山本裕二氏より乾杯のご挨拶をいただきました。
また、「このような交流会に参加できない場合に、どのように自社が必要とするニーズをお持ちの企業さまと、交流をもつことができるでしょうか?」との参加者からの質問に対し、「そんな時には、もっとコーディネーターを頼っていただきたい。ニーズとシーズをお持ちの企業さまをつなげるのが、私たちAOIフォーラムでありAOI機構の役割です。もし、すぐに直接的にご紹介することが難しいときも、AOIフォーラムのネットワークの連鎖で交流の輪を広げていくことができます。ですから、まずは気軽にご相談ください。私たちのことを、もっと使い倒してください!」と、専務理事兼事務局長の岩城徹雄氏。今後のさらなる会員同士の交流に対して気概を見せました。

交流会で提供された食事は、会員からご提供いただいた食材をホテル沼津キャッスルにご調理いただいた特別メニューです。
「株式会社司旅館 ホテル沼津キャッスル」のプレゼンテーションでは「できるだけ地元の食材を使用し美味しい料理にしてお客様に提供したい」との発表もあり、両者にとって嬉しいメニューとなりました。

リーフレタスとベビーリーフのメランジェサラダ
リーフレタス提供:日本パワーテクノ株式会社

サーモンマリネ サラダ仕立て
そばの芽提供:株式会社不二工芸製作所

ブロッコリーの冷製スープ
ブロッコリー提供:株式会社アイファーム

栗ごはんのおにぎり
米提供:青島冷凍工業株式会社

オタネニンジン(高麗人参)の天ぷら
オタネニンジン提供:株式会社前川総合研究所

ローストポーク~サルサソース~
トマト提供:有限会社湘南百貨店三島店

トマトジュース・甘酒
トマトジュース・甘酒提供:矢崎総業株式会社

ブロッコリーとチキンの温野菜
ブロッコリー提供:株式会社アイファーム

自由交流会はおいしい食事とともに、会話の絶えない和やかな雰囲気となりました。参加者の会員同士では、プレゼンテーションで伺いきれなかった話や交流が積極的に進められました。

会員からは、以下のような意見が寄せられました。

自社にとって新規領域である分野を、一緒にコラボレーションできる企業さんを探している。また、作物の成分や効能の研究やエビデンスなどを、AOI-PARCで研究していきたいと考えて参加した。AOI機構とのやりとりだけでなく、皆さんにお会いできる機会が持て有意義だった。

 

セミナーなどには参加したことがあったが、交流会は今回がはじめて。食事をしながらだと気軽に話がしやすく、他分野の方々と交流を深めることができて良かった。

 

AOIフォーラムを通して情報を知ることができるだけでなく、会員同士で直接顔を合わせて会話できる場があることはありがたい。

 

農業分野は新規の領域なので、他企業の方と話をすることで新しい価値の創出に期待がもて意義を感じた。

「この場で、新しい事業に向けてのマッチングの話を進めることができた案件もありました」と、コーディネーターの内藤氏。

最後に、岩城氏は「“オープンイノベーション”との言葉が先行するのではなく、価値あるビジネスが生まれ、成果が上がるように交流を深めていきたい」と、会を締めくくりました。

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